元カレより電話。
　元カレ・・・
　そういえば日記を書き始めてからこちら、わたしは一体何人の元カレを製造したのだろうか。
　最近、長期で付き合うっていうのがご無沙汰。
　ということは気心の知れた彼というのにもご無沙汰。
　もうすっかり肌寒いから、心も薄っすら寒いような。

　さて、電話があったのは直前まで結婚するしないで揉めていた元カレ。
　オマエなんかもう知らない、勝手にしろ！！
　と啖呵を切ってくれたわりには、しつこくしつこーく電話があったりする。
　多分、彼も慣れない土地で寂しくしていて人恋しいのだろう。
　で、いつもの習慣でついわたしにメールしたり電話したりしてみる。
　うん、多分そう。
　その気持ちは解かる。
　ただ問題は、話しているうちにやっぱりいまいましさが込み上げるのか、いつも途中から激しい物言いをするようになり、不愉快な同じ話の繰り返し。
　今日も結局勝手にしろ！と電話を叩ききられた。
　
　言われなくても勝手にするってば、みたいな。
　とは言うものの。
　自分勝手で申し訳ないと少しは心を痛めていたりもする。

　ちょっと病気になり、海外で入院という貴重な体験をした。
　本当にちょっとした病気なので、保険会社に良いホテルを取ってもらって、ただでステイしてたみたいな。
　会社に勤めていたら困るのだろうけど、悲しいかな無職なのでのんびりゆっくり毎日マッサージ＆ハーブサウナ三昧。
　偶然知り合った冴えない渡鬼の泉ピン子の旦那役に似たオジサマは化粧品会社の社長だったので、高いサンプルを沢山頂いて高いホテルでディナーをご馳走になったりして。。。わりと楽しく過ごした予定外の二週間。
　皆は気の毒がってくれたけど、いたれりつくせりでお姫様みたいに過ごした。
　人生にこんな良いことがあっていいのだろうか。。。。

　もう一度海外に長期滞在しようと思う、ということを彼に打ち明けると案の定怒って、別れてしまった。
　まあ、それでいいと思う。
　まったく度量の狭い男である。

　帰って来てその日にすぐに前に勤めていた店のママから電話があり、短期でもかまわないから勤めて欲しいとのことだったので、もう一度お勤めすることにした。
　御縁とはこんなものなのだろう。
　
　結婚よりも楽しいことが沢山あるような気がして、好きにしたい欲求を今は抑えられそうにない。
　わたしはもう一度海外に行く。
　今度はきっと長期で。
　

とりあえず元気。
　ここ、すごく快適。
　友人は先に帰国したので今は一人で滞在している。
　でも、とっても毎日楽しい。
　ココナッツのジュースを毎日飲む。
　そしてグリーンカレーをほぼ毎日食べる。
　グリーンカレーは料理教室に通って作り方をマスターして帰ろうと思う。
　元々カレーは好きだったが、こんなに毎日食べたくなる程に好きとは自分でも知らなかった。
　お店で食べて200円前後。
　フードコートとかだと100円くらい。
　こんな値段だから気軽に毎日食べられるんだなあ。

　残り2週間を切ってしまった。
　旅先で知り合った女性（滞在5ヶ月目）に、チケットをキャンセルしてもう2.3ヶ月ダラダラするよう勧められて迷っている。
　居心地良すぎる。

台風のあおりを受けて、飛行機が欠航。
　ついてないなぁ。
　明日は飛ぶか？
　飛びますように。。。

　英語の勉強は全くはかどらず。
　世界のあらゆる国の女性の中で一番人気があると言われるJapanes (old) girl の笑顔で誤魔化すしかないか。
　ちなみに同じ日本人でも男性の人気は全くないそうです。

　それは置いておき。
　具体的な対策として、海外で使える携帯を購入した。
　会話に困れば日本のA氏に（コレクトコールで）連絡を入れようと思いついたからである。
　これで万全。

　弟の子は日に日に可愛い顔になってきている。
　このままいけば、可愛らしい女の子になれるのではないかと思う。
　この子の門限は20歳まで5時、と弟は決めているらしい。
　変な男に捕まるくらいなら嫌われた方がマシ、だそうで。
　家の子は真面目な男にしか渡さない！と息巻いている。

　こんな父親だとこの子も苦労するだろうなあ。
　この子が可哀想。
　アンタお父さんにそっくりだよ。
　そうわたしが言うと。

　オマエはお父さんの気持ちが解からないのか。
　そんなフラフラフラフラして！
　と逆に説教をくらった。

　今日から9月。
　早いなあ。
　子供の頃の一年で一番嫌いな日は断トツで今日だ。
　
　今日はまだこんなに暑いけど、サンダルは昨日で終わり。
　夏の名残を惜しむように着たノースリーブのワンピースも終わり。
　今だって8月が終わる時はいつも寂しい。

　いつも暑い所に住めたらどんなに素敵だろう。
　ボーっとして水際で過ごす毎日。
　ちょっとした木陰で暑さをしのぐ毎日。
　ずっとそんな感じで生きていたい。
　ただ有り余る時間を余計なことを考えずに堪能出来たらそれでいい。
　
　秋も好きだけど、秋の気配を感じるのは好きじゃない。
　暑いところに行きたくなる。
　夏を追いかけたくなる。
　その衝動をわたしは抑えられない。

　やっぱりやっぱり英語は大事。
　英語が出来ないのは恥ずかしい。
　わたしは教養のない人間です、と宣伝して歩いているような気分。

　元客A氏もDさんも。
　「わたし、英語全くダメなんです」
　といくら言っても、謙遜していると思っている様子。
　その証拠に。
　わたしと友人の飛行機は到着に2時間ほど間があって、まずわたしが先に着くのだけど。
　英語しか話せない軍人さんと。
　「まあ、食事でもしながら待ってなよ。」
　なんて言う。

　A氏Dさん＋外人さんで食事をしたことは何度かあるけど。
　そういう時は解かることだけ頷いたり笑ったりすれば良かったんで、特に失態が目立たなかっただけで。
　英語しか喋れない人と2人なんて・・・無理。
　
　お迎えはナシにして、と頼み込むも。
　危険だから、との理由で何があっても来るという。
　だったら、と。
　恐れ多いがDさんに直接出向いて頂こうと思うも。
　Dさんが入国するのは2日後だから無理だとのこと。

　あと5日で日常会話が出来る能力を養うべく勉強に取り掛かるのが賢明か。
　どうして有り余る時間の中でやっておかなかったんだろう・・・
　とりあえず今からやる。
　

　わたしの旅行が知らないところで大変なことになっている。
　飛行機を降りたところまで軍人さんがお迎えに来てくれて。
　泊まるところもすでに決まっているらしく。
　滞在中は運転手さん付きのリムジンを付けてくれた上。
　更に遠方へ行くときは自家用ジェットを出してくれるんだそう。
　
　元客A氏よりそう聞いて。
　嬉しいというよりも怖気づく。
　エコノミーで行くつもりなんだけど・・・
　と恐る恐る言うと。
　あ、じゃあお金払ってあげるからビジネスで行ったら？
　だって。
　はぁ、住む世界が違うわな。
　お迎えは要らないし、リムジンじゃなくてホテルのタクシー手配してもらえば充分です。
　そう言うと。
　いや、もう決まってるから。
　だそう。
　
　わたしはちょっぴり良いホテルで経済格差を利用してちょっぴりの贅沢がしたいだけであって。
　そんな待遇をしてもらっても。
　英語も話せないのに、恥ずかしい。
　それに、滞在中はTシャツに短パンのつもりだったのに、そうもいかなくなる。
　だから困る。

　あはは、諦めなさい。
　あの爺さん相手に自分の思うとおりしようなんて100年早いよ。
　俺が行けたら通訳くらいしてやれるのに悪いな、ははっ。
　とA氏は愉快そう。
　
　ああ、もう。
　自腹でビジネス取るか？
　いや、そんなトコで見栄張ったって仕方ないよなあ。
　わたしがお金持ちでないことはDさんだって知っているだろうし。
　お迎えの人には悪いけど、エコノミーで行く。
　行ってやる。

　彼女に一方的に振られた元同僚K。
　それは2年前のこと。
　彼女も職場が同じで、彼としては別れても友達でいたかったらしいが彼女にそのつもりがなかったようで、以来親しく口を聞いたりはしないとのこと。
　でも、その2年の間にKは彼女に。
　「なんでそういう態度をとるの？」
　「そのことによって僕がどれだけ傷ついているか解かる？」
　なんていうメールを時折送りつけていたらしい。
　もちろん、全然相手にもしてもらえないとのこと。

　そうして、2人が付き合っていることを全く知らなかったわたしに今もグチっているということは。
　未練タップリだということ。
　ぞっとした。
　気持ち悪いとしか言いようがない。

　これが10代の女の子なら微笑ましくもあるかもしれないが。
　30代の男となれば、ただ情けない。
　縋ったら縋った分だけウザがられるって、いい歳なんだから自分に置き換えたら解かりそうなもんなのに。
　頭では解かってても出来ない、だそうで。
　そりゃ出来ないのは仕方ないから勝手に好きでいればいいと思うけど。
　未練たらしく相手の気持ちを請うのは恥ずかしいことだとの自覚があれば、メールや電話は出来ないはずだ。

　他の女じゃダメ、なんて言っていたけど。
　回りに好意を持ってくれる女がウジャウジャしているのに2年もその女に執着している、という場合のみそういう台詞が有効なのであって。
　誰か紹介してよ。
　なんてホザくコイツが言うと他人事ながら殴りたくなる衝動に襲われる。
　着信拒否決定。

　ミキちゃん、ミキちゃん。
　そう呼ぶ声の主は確実にわたしを見ている。
　でも、わたしはミキちゃんではないし、その声の主に見覚えもない。
　人違いだ。
　だけど、そのミキちゃんには心当たりがある。
　
　ホステスになって間もない頃。
　アフターで行く店やホステス御用達ドレス店なんかに行くと。
　あら、ミキさん久しぶり〜、なんて声をかけられることがよくあった。
　勤めていた店に来たお客さんにも。
　あれ、ミキちゃん店変わったの？とか尋ねられたりもした。
　元カレの友人Mさんも。
　初対面の時に誰かと間違えているらしく随分と辻褄の合わない話をするので面食らったのだが。
　それもミキちゃんだと判明。
　
　地元では老舗のクラブに勤めていること。
　公称している年齢はわたしと同じ歳だったこと。
　顔と背格好が似ていること。
　バイクで通勤していること。
　実家がわたしと同じ区内にあること。
　全く面識がないのに、誰彼となくそんなことを教えてくれたので。
　親近感まではいかないけど、うっすらと親しんでいたように思う。
　
　多分、そのミキちゃんに間違えているんだろうなあ。
　と思いながらも。
　違います、と言うしかなく。
　少し怪訝そうにわたしを見ていているその人を尻目に歩き去りながら。

　ミキちゃん、どうしてるのかな。
　なんて、一面識もない女性を少し懐かしんだ。

　こりゃ良い物件かな、と思っているのが。
　30代♂独身上場企業勤務。
　顔普通、性格草食動物系。
　前のカレ？ってかフェードアウト寸前のカレの性格が強烈すぎたので。
　大人しそうなひ弱そうなトコが良く感じる。
　ちなみにこの人は女友達のお勧め物件でもある。
　
　まあでも、喰い付くのは辞めて。
　しばらく謹慎期間にしようかなと思っている。
　ミソギだ禊。
　オトコ絶ち。
　なんて思ってはいるけど。
　本当に出来るかなあ。
　意志弱いし押しにも弱いし。
　
　15歳くらいからずーっと途切れず誰かと一緒にいて。
　しかも、何となく付き合っていたことの方が多かった。
　一人になってみたい。
　ここ数年、誰かと別れる度に思っていたけど。
　何故かタイミング良く誰かが現れて。
　寂しい、とか、退屈だ、とか。
　恐らくそんな気持ちに流されて付き合ってしまう。

　好意はあるけど、惚れてはいない。
　これは、いつかのオトコの名言。
　まさしく、いつもそんな感じ。
　だからいつも生ぬるいしテキトーなことばっかりしてしまうのだと思う。
　
　自分で餓鬼状態を作ってみたら少し違ってくる？
　そんなの悪足掻き？
　などとグルグル考えてみて。
　やっぱり答えなんて出ない。
　まあいいや。
　来月は旅行に行くし、最低でもその間は禊だから。
　その後のことはそれから考えよう。

　元客から写真つきのメールが来た。
　タイトル「まあるいお月さま」
　きっと満月の写真だな、と開くと。
　彼のまあるいお腹が映っていた。
　おえっ。
　
　

　曽野綾子氏の本を読もうと思った。
　本当に久しぶり。
　この人の本は好んで読んでいたけど、ある時期をさかいにぱったり遠ざかっていた。
　読むと殆どない良心みたいなものがシクシクと痛むからだ。

　今は他人と関ることが極度に少なくなったので。
　読む気になったのだろう。
　中途半端な良心が疼きだしても、今ならば誰にも関っていないので侵食されることもないと安心しているからだろう。

　何ごとか起こったときに。
　内反というか反省。
　そうすることは多分良いことなんだろうけど。
　だけど。
　そんなことを思っていたら、あっという間に喰われてしまう。
　右の頬を打たれたら、せめて左は死守したい。

　自分が正しいと思える程、楽なことはない。
　誰に責められようが、自分は正しいと思うのだから。
　その姿を美しいとは思わないが。
　でも、わたしはそういう人になりたいと思った。
　他人の立場なんて気にせずに目先の損得で動きたいと思った。
　どれ程それを強く望んだだろう。
　だけど、限られた人を除いては、そういうのもストレスになる。
　殆どの人は環境や立場で、そのストレスを受け続け。
　それに耐えて、徐々に慣れて。
　そうして、ふてぶてしさとか自分勝手さを手に入れる。
　それもまた努力なんだと思う。

　借金を抱えていた彼。
　まだそう事態が深刻ではなかった頃に。
　金になると言われて、最近話題の悪徳リホームの会社で営業をやっていたことがあった。
　もちろん歩合性。
　営業のスキルは高かったというか、自分を売るのが上手な人なので。
　その仕事でもメキメキと頭角をあらわした。
　あっという間に驚く程の給料を手にするようになった。
　
　そんなある日。
　もう辞めたい、騙すようなことをするのは辛い。
　と彼が言った。
　わたしは。
　原価2万のふすまを20万で売った、それの何処が悪いのよ。
　あなたコカコーラの原価知ってる？
　何円よ、何円。
　でも、誰がコカコーラに騙されたって騒ぐ？
　騒がないってことは、顧客が納得していればそれでいいってことでしょ。
　と言い放った。

　だけど。
　俺に貯金通帳を預ける人がいるんだよ。
　俺、その残高見て、20万や30万くらいなら使って貰ってもいいと思ってリホーム勧めてきたけど。
　会社の方針としては、残高がゼロになるまでやれってコトみたいで。
　そんなこと俺は出来ないし、したくない。

　わたしは黙る。
　そりゃ辛いと思う。
　辛いだろうけど。
　そんなことが言えるのは。
　というか。
　そんなことをわたしに言うのは。
　わたしに稼げと言っているのと同じこと。
　すなわち他に選択肢、余裕があるから言えたことだ。
　
　だけど、わたしだったらどうだろう。
　きっと彼と同じなんじゃないか。
　そこまでは出来ないということがある。
　それでも、もしそこに他の選択肢がない場合。
　覚悟を決める必要が出てくる。
　それこそ喰うか喰われるか、だ。

　結局、彼はその仕事を辞め。
　彼の稼ぎをカバーする程の仕事と言えば風俗しかなく。
　わたしはそこまでは出来なかったので。
　結果として彼は喰われた。
　もっと手を汚し。
　もっと残酷な場面に立ち会わなければならなくなった。
　その覚悟が出来ていたのなら、それで本望だろうけど。
　そうではなかっただろうから。
　甘い優しさを振りまいた分だけ、自分が追い詰められたのだ。

　そんな目に合う確率は多分少ないと思う。
　少ないと思うけど、ないわけじゃないので。
　やっぱりいつも警戒は怠らずにいたい。
　中途半端なものは良心だって優しさだって事態を悪化させることがある。
　喰われる覚悟がないのなら、喰える立場に回らなければ。
　きっと後悔するだろう。

　だけど。
　曽野氏の本を読んでしまえば。
　そんなことを考える自分が意地汚く了見の狭い人間に思えて。
　中途半端な良心を疼かせることに間違いはない。
　なので、手元にあるのに。
　読むのをまだグズグズと迷っている。

　弟の子供が産まれた。
　顔立ちは、まだ解からないけど。
　これからウンと可愛くなるといいな。

　ここは意地を張らずに。
　おばちゃんって呼ばせようかな。
　いきなり知らない子から。
　おばちゃ〜ん。
　とか言われた日にはガックリくるだろうから。
　そろそろ、心の準備をして慣れておきたい。

　そう言うわたしも、子供の頃に。
　近所の女性にオバチャンと呼びかけてしまったことがある。
　オバチャンじゃなくてお姉ちゃんよ、と訂正され。
　どっちだっていいじゃん、と内心思ったが。
　眼鏡をかけた地味な感じの彼女は当時17歳。
　そりゃ訂正するよなあ、悪いことしたと今では思うけど。
　子供はアクまでも見た目年齢でオバチャンかお姉ちゃんか決めるので残酷だ。
　　
　母に相談すると。
　嫁入り前なのにオバチャンなんて呼ばれて老け込んで、貰い手がつかなかったら困る。
　とのことで。
　そんな心構えをする暇があるなら、結婚相手見つけてこい。
　だと。
　ごもっとも。。。

　彼とコスプレして遊んだ。
　わたしはナース服を持っているのだ。
　しかもピンク色。
　美容整形のカウンセラーをしてた時の制服を勝手にお持ち帰りさせてもらった本物のナース服である。

　いつも楽しませてもらってばかりいるので。
　せっかくナースだし。
　たまにはお返しとばかりに責めに回ることにした。

　なんて。
　本当はサド気がちょっとあったりする。
　焦らし好きなのである。
　逝きそうで逝けない状態に持っていって。
　逝かせてと懇願されても無視して続け。
　たまらなくなって、自分の手を使おうとしても。
　誰がそんなことしていいって言ったの？
　とか言って、手を払いのけ。
　ずーっとずーっと焦らすのがとっても好き。

　でも、一定の快楽を超えると暴れたり逃げ出したりするので。
　拘束しないと、ある程度までしか出来ない。
　彼には縛らせてなんて頼めなかったので、頃合を見て逝かせてあげた。
　本当はそのまま続けるとプライドが崩壊していくサマが見られて楽しいのだが。
　でも充分に良い声で鳴いてくれたので満足。
　
　楽しかったね。
　と煙草を吸いながら彼に言うと。
　逝きたくなった時に逝かせろ、だと。
　さっきまで情けない声を上げていたくせに、威張りくさって小憎たらしいこと。
　今度は泣くまでやってやる。

　近所の同級生と道でバッタリ会った。
　目と鼻の先に住んでいるけど、こちらに戻ってきてから会うのは初めて。
　久しぶりなので話が尽きず、食事に行くことに。

　ねえねえ、仕事してないの？
　とわたしが聞くと。
　え！？なんで解かったの？
　と驚いていたので。
　いつも車が車庫にあったから。
　とわたしが何の気なしに答えると。
　
　やっぱりバレるよねぇ。
　近所のウワサになるのが嫌で、一応朝は出るようにしてたんだけど・・・
　とのこと。

　へっ？何でそんなことすんの？
　と思ってしまったけど。
　ここは田舎。
　わたしはもう異邦人扱いなので、無職なことくらい何でもないけど。
　近所のババアに話のネタを提供するのは嫌だと思うのは当然。
　自分になら何を言われてもいいけど。
　お母さんが可哀想だもんね。
　実家は楽だけど、色々と気苦労が耐えない。
　
　そうして恋愛話になり。
　彼女は男運がないとのこと。
　彼女はまず男の喰い付きが悪いとのこと。
　モテないんだよねぇ、と切実そうである。

　そこで。
　男運とはなんだろうとちょっと考えてみた。

　こういうと語弊があるかもしれない。
　だけど、モテるだけなら簡単だ。
　相手の好むような人っぽく振舞えばいい。
　そのかわりに自分を押し殺すだけ。
　ちょっとした小手先のテクニックを使えば喰い付き率は容姿に関係なく3倍は上がる。

　まあ、そんなこと彼女には話さないけど。
　だって。
　ホステスと客ならそれで良い。
　その先に進まずとも、その関係のまま商売が成り立つからだ。
　でも、一般にはどうだろう。
　それで何か得るものがあるだろうか。
　多分ないと思う。
　貢がせようとか利用してやろうとか思うような性質が元々備わっているなら別だけど。
　モテるだけでは何のメリットも享受できない。

　逆に言えば、モテなくったって恋愛する上で支障にはならないということだ。
　好きな男一人に好かれれば問題ない。
　それが一生にたった一人しか現れないとしても。
　その一人が関係を持続して暖めお互いに向上していくなり出来るような相手であれば。
　そんな人に出会えた人こそが男運が良い人だとわたしは思う。
　
　パチンコで例えるなら。
　500円で大当たりした運の良い人というところだろう。

　そして、わたしは回転数はあげてるのに大当たりを引けない人というところか。
　最初にリーチが掛かった時のような新鮮さはもう感じられず。
　それどころか、大掛かりなリーチが来ても。
　またかよ、とか。
　単発かな、とか。
　最初から疑ってかかる。
　それに加えて。
　回転数を上げれば大当たりの確率も上がる。
　それが定説なはずなのに。
　大当たりがこないわたしは、パチンコで言えば運が悪い。

　でも、これはパチンコではないので。
　運が悪いというのではないだろう。
　でも、自分が悪いとも思いたくない。
　
　釘とかデーターの見方がなってない。
　とか。
　前日の下調べが足りない。
　とかで。
　結局、座わる台の見極めが甘い、と。
　パチンコでいうなら、そんなトコかな。

　与えられた条件の中で大当たりの確率を上げていくには、データーが大事、下調べが大事、経験も大事。
　だけど。
　トータルすれば負けるように最初からできているのだから。
　大当たりを引いたら、さっと辞める。
　美味しい思いをしたからといって、またフラフラとパチンコ屋に行かない。
　常連にならないで、勝ち逃げする。
　これが一番カタイかな。

　男運から逸れてしまったけど。
　運頼みだけで勝てる人は稀。
　準備を怠らず。
　勝ったなら、そこから更に美味しい思いをしようとしないこと。
　負けたなら深追いしないこと。
　次に備えて余力を残しておくこと。
　運にも左右されるけど。
　それでも負け続ける人にのみ、運が悪いと言う権利があるのだと、わたしは思うし。
　それでも負け続ける人は殆どいないだろうな、とも思う。

　殆どは。
　何かを怠っていたり。
　何処か抜けている。
　だから負けが続く。

　運以前の問題。
　

　元客A氏より電話があったので。
　来月バンコク行くんですよ〜、と話したことろ。
　偶然D氏も9月はバンコクだそうで。
　それなら食事とお遊びのお付き合いをするようにとのこと。
　お安い御用。
　ってか、は〜い喜んで、だ。

　でもあのゴージャスな香港の彼女がいたら嫌だなあ。
　あの人がいると、どうもわたしは貧乏臭く見えるからなあ。
　と言うと。
　Dさんは今月は台北で彼女と一緒なので、来月は一人でバンコクだそうで。
　それなら全然OKだ。

　先日頂いたダイヤのネックレスを持って行って、食事の時にでも付けたら喜んでくれるかしらね、とA氏に尋ねると。
　あんな小さなダイヤ忘れてんじゃない？とアッサリ斬られた。
　金持ちって物の有り難味が解からないから可哀想だわ。
　なんて負け惜しみか。

　A氏とDさんは来週上海で落ち合うそうなので。
　それだったらわたしも行こうかなあ、と言うと。
　あれっ、キミこの間誘った時には8月は用事があるって言わなかったっけ？と尋ねられ、冷や汗タラリ。
　わたしの予定なんてあってないようなものだからね、あはは。
　と誤魔化しておいた。
　
　まあ今回はいいや。
　DさんはわたしをA氏の彼女かな？くらいに思っているフシがあるので。
　一緒の旅行はやめておいた方が無難だ。
　どうせならA氏抜きでDさんに会う方が楽しいだろうし。
　来月まで我慢しよう。

　Dさんと一緒となれば。
　計画していたよりずっと快適に過ごせるだろう。
　念願の別荘にも遊びに行ける。
　ますます楽しみである。

　毎日暑い。
　でも、この暑さの中で更に暑い場所へ旅行計画。
　今度は初めての一人旅の予定だったけど。
　同じくプー太郎の友人に計画を話すと。
　わたしも行く！とのこと。
　結局はいつものごとく2人旅。
　その方がホテル代が安くなるし、食事のときも色々食べられるから経済的ではある。
　
　出来れば60日くらい有効のチケットを買って、現地の安い航空券で他の国へも行ってみたいのだが。
　日本で手配するなら個人旅行でもホテルに頼んで空港まで迎えに来てもらえたりするけど、現地の旅行代理店は日本のように完璧な手配を望めはしないだろうから不安。

　わたしは何でも適当だし行き当たりバッタリだけど。
　やっぱり安全だけはお金を出しても買う。

　NYに行った友人がうっかり電車を乗り間違えて、スラム街に行ってしまった話を聞いたときから、そう思っている。
　真昼だったけど、それはそれは怖かったそうで。
　それを聞いてからのわたしは海外ではとっても用心深い。
　電車もバスも乗らないし、何処かに行くときはホテルに呼んでもらうタクシーを使う。
　日が暮れたらホテルから出ないし夜遊びなんて言語道断。

　バックパッカーみたいな気ままな旅行がしてみたいけど、そんなことは一生出来ないだろう。
　山下清みたいに日本国内を放浪するとかなら出来そうだけど。
　あ、でもやっぱり泊まるところはキレイな旅館かホテルじゃないとイヤかも。
　
　話が逸れたが。
　9月になったら一月ほどタイでマッサージ三昧決定。
　買い物がしやすそうなので伊勢丹の近くに泊まる。
　なんでもワコールが安いらしい。
　楽しみだなあ。

　その対象は今度生まれてくる姪っ子ちゃん。
　わたしだって楽しみ。
　きっと可愛いと思う。
　思うけど。
　初孫ということで父も母も大喜びで。
　ああしてあげよう、とか。
　あれ買ってあげよう、とか。
　そんなことばっかり言っている。

　わたしのお父さんとお母さんなのにぃ。。。
　と、胸中穏やかでない。

　おとなげないかなあ。

　母の入院中に男友達が何人か遊びに来ていたのを近所のババアが母にチクりやがった。
　これだから田舎って嫌。
　他人のコトほっとけっつの。
　
　母がいる時でも家に呼んでいるのだからチクラれたって痛くも痒くもないけど、近所に話のネタを提供してるのかと思うとウンザリ。
　イヤらしいことをするなら貧乏学生じゃあるまいし、実家になんか用はない。
　
　どの人が彼氏なの？
　と母に聞いたそうで。
　ババアの無神経さに呆れる。
　さぞかし母も肩身が狭かったことだろう。
　まあ、弟が散々と派手にやっていたので。
　もう慣れてはいると思うけど。