別れ下手

2005年7月24日
 近日のわたしの不穏な気配を察してか、彼が妙に優しい日々が続いていた。

 だけどやっぱり無理をしたのが祟ったのか。
 本日、些細なことで説教モード開始。

 チャンス到来、と思いながらも。
 ふんふん、と聞き流して。
 適当なところで。
 だったら別れよう。
 と口を挟んだ。

 ヒートアップしていた説教をもぎ取られた形になった彼が呆然としているうちに。
 わたしはカーディガンを羽織りバックを持ち。

 怒ってるわけじゃないからね。あなたはわたしに気に食わない部分が沢山あるようだけど、わたしには治せないんだよね。なかなか言い出せなくて引っ張っちゃってごめんね。親にはわたしから言っておくから心配しないで。
 と一気に言って。
 
 ちょっと待て、と彼の止めるのも聞かずに。
 玄関にスタスタと向かい。
 さよなら。
 とドアを閉じる間際に振り向くと。
 顔を赤くして目を吊り上げている彼が見えた。
 怖かった。

 本当はもっとお互いが納得できる形を取りたかったけど。
 そんな余裕をかましていたら、彼の勢いに丸め込まれてしまっただろうし。
 そもそも別れというのは一方的なものなので。
 双方納得なんていうのは理想論でしかないし。
 多かれ少なかれ、一方が気持ちを抑圧したりシコリを残したりする。
 どんな方法を選んだって、そんなもんだ。
 
 とにかく今はまだ興奮冷めやらずで別れの感傷に浸るどころではない。
 数日はメールや電話にもちゃんと対応しなければならない。

 それでも。
 2・3日したら悲しくなったり寂しくなったりするんだろうか。
 それはそれで自分事ながら良い気味のような気もする。

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