キリギリスでウサギ

　アリとキリギリスなら、キリギリス。
　ウサギとカメなら、ウサギ。
　わたしはそんな女だ。

　出来るならアリでありたいしカメでありたい。
　地道な努力が実を結ぶ。
　それは正しく美しい。
　継続は力なり。
　そんな言葉も好ましい。

　解かっていながら何故出来ないのかというと。
　先のことを具体的に考えられないという性質故かと思う。
　いや、ちょっとは考えるのだが。
　不安要素に思いが至ると。
　ま、何とかなるか。
　と、そこで楽しいとは言えないことを考えるのは打ちとめて。
　その時々で楽な方に流れていく。
　我ながら呆れるほど極めて短略的。

　そんなことなので、運が良ければ何とかなる場合もあるけど。
　当然のように何とかならない状況に追い詰められることも多い。
　それは運が悪いというわけではなく。
　自業自得だ。
　
　そこまで追い詰められて、やっと重い腰を上げ考えることや地道な作業を始める。
　出来ないのなら諦めるか放棄する、という手もあるが。
　そこでやれるなら、最初からやれよ、と。
　自分ゴトながら大いに突っ込みたくなる。
　
　しかし。
　やれば出来るんじゃん♪
　とか。
　ほらね、何とかなったじゃない♪
　とか。
　切り抜けてしまえば、元々のバカがつくほどの能天気さが顔を出し。
　ちっとも身に詰まされはしない。
　従って、次回にも生かされない。
　まったく教訓にはならない。
　
　そうして。
　最小限の労力で最大限の効果、を狙っているのに。
　結果的には。
　最大限の労力で最小限の効果、もしくはただの逆効果になっているという皮肉。