嫉妬のさじ加減

2005年6月16日
 彼の家で彼の犬とボールで遊んでいると、彼の携帯から着信メロディが鳴り出した。
 取るから黙っててね、と言われ。
 これはあやしい。と思って彼のいる居間にボールを投げて犬にまず取りに行かせ、わたしも追いかけるフリをして移動。そのまま彼の寝そべるソファーに無理やり割り込み馬乗りで覆いかぶさった。
 音漏れ加減が良く、いい具合に会話が聞こえる。やっぱりオンナだ。
 酔っているらしく甘ったるい声で、ねえ何で帰っちゃってんの〜、もう一回出てきてえ〜、などと言っている。
 彼は、もう疲れてるから今日は行けないよ、明日早いし、と逃げ口調。
 するとオンナは、会いたかったのにな、と言い、更に、そんなこと言いながら女と一緒なんじゃじゃないの?だと。
 はい大当たり♪
 このオンナ、彼のことが好きなんだろうな、と少々気の毒になる。遊んでるうちは楽しいけど、付き合うと説教ジジイに大変身するんだよ、変にクソ真面目だしプライド高いし上から物言うし手に負えませんよ、と教えてあげたくなった。
 ちなみにこの程度じゃ嫉妬心に火はつかない。この男に関して嫉妬することがあるとしたら、今思いつくのは、わたしとはセックスレスで他のオンナとだけしていたという場合か、わたしには何も買い与えずに他の女に高価なものを買い与えていた場合くらいか。
 でも、彼が電話をわたしに聞かれているのに移動もせずに話し続けたということはヤキモチを焼けということなんだろう。
 そう思って。
 電話を切った後、馬乗りになっているわたしを見上げた彼の顔にボールを投げつけた。更にバカバカバカと言いながら5回くらい投げつけて、彼とオンナの会話を一人で真似てから、酷いよね〜、と犬を抱き寄せて犬に話しかけ、こんなもんでいいかな、と抱きついて耳元で、ねえ心配心配心配、悪いことしないでね、で仕上げ。
 男が好む嫉妬とは大体こんなもんだろう。
 もしも本当に嫉妬した場合もこの程度にしか言うのが賢いのだろうが、本音なだけに醜さが言葉の端々から零れ落ちるのが怖くて、わたしはきっと何も言えなくなるだろう。
 でも彼はそんな切羽詰まるくらいにわたしを追い込むことは出来ないだろうから、物足りないと言えば物足りない。が、とっても安心でもある。

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