王様の国

2004年10月19日
 ある方から働かないのに社会保険だけを作ってくれるとの提案。
 世の中には、まだまだわたしの知らないカラクリが沢山あるらしい。
 疑っては悪いが、後が煩わしそうなので丁重にお断りした。
 しかし、この不況と呼ばれる中で何故こんなに美味しい話や仕事の話が溢れているのか。
 昼・夜問わず、働かないかという話は後を絶たない。
 素晴らしい能力があるのなら当然だろうが、わたしに出来るのは愛想を振りまく事と品良く見せるのが少し上手な事くらいしかない。
 大体が秘書という面目でお爺さんのお話相手とかだったりするので、それで良いのだろうけど。
 果たして表立っては募集出来ない、わたしのような女へのニーズは高いのだろうか。
 しかしながら、個人の懐は潤っていても会社そのものはそんなに潤っているとは思えないのに、何処にそんなに余裕があるのだろう、社員に反感を買うに決まっている。
 でも、ワンマン社長の企業というのはそんなものなんだろう。
 お伽話の悪い王様のようだ。
 社員は搾取される小作人で、きっといつも王様の悪口ばかり言っているはずだ。
 わたしもお勤めしていたから、よくわかる。
 悪い王様たちには愛すべき面もあってわたしは嫌いではないが、ポッとわいて出て王様のそばに侍り王様に優しくされているのを見れば、搾取される側は面白くはないだろう。
 きっと陰口を叩かれ、どうかしたらあからさまに意地悪されるかもしれない。
 そして、わたしは王様に告げ口も出来ず、ストレスばかりを溜めるのだ。
 考えただけで嫌だ。
 わたしは、きっとどの誘いにも乗らないだろう。
 そんな労働もどきをするくらいなら、愛人として個人的に勤めを果たし報酬をもらう方が余程割りが良い。
 とは言え、そういう事を生活の糧にするのは、その事自体がストレスになるのも身に沁みているし、かと言ってまともにやってもわたしの年収などたかが知れている。
 結婚するのが手っ取り早いが、わたしのような動機であれば愛人よりも世間体が良いのと保障が付いているという事だけで、やる事は愛人となんら変わりがないものになってしまうだろう。
 切羽詰まったら、わたしはやはり王様の国に行きたくなるのだろうか。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索