懲りない男

　地元に住む彼は、顔は普通だし、背もわたしと同じくらいしかないが、よくモテる。
　自由な時間を持てるのも、あと少し。
　俺が遊べるのも、あと少し。
　とばかりに、鬼畜な活動に精を出している。

　あなた、そのうち刺されるわよ。
　と言うと。

　あ、言ってなかったっけ。
　俺、この間、殺されそうになったんだよ。
　女と揉めてたんだけど。
　そしたら、そいつがいきなり、デカいカッターナイフで俺の腹、切りつけやがってさ〜。
　よけたから、死ななかったけど。
　それでも、腹5cmくらい切られて、血が凄い出て、今もテープ張ってるんだよ。
　　
　そのテープ張ったままで、夜な夜な遊び歩いてるわけですか。
　刺されたって、懲りないのね。
　流石ですわ。