先輩たち

　地元の企業に勤めていた時の先輩達から電話を貰った。
　久しぶりだ。
　当時一緒に働いていた先輩達とは、今でも仲良し。
　今日は久しぶりに集合したとの事で、わたしにも電話をくれたらしい。
　懐かしいな。
　
　同部署の1つ上の先輩。
　わたしと同じ名前だけど。
　わたしとは違い、その名のとおりの可愛らしさ。
　酒井法子に似た、可憐な女の子だった先輩。
　歳が近い事もあり、一番仲良くしていた。
　社内結婚して、今は女の子のお母さんだ。
　2つ上の先輩。
　天使のように恐ろしく性格の良い、本当に優しい人。
　どうやったら、こんな女の子に育つんだろう、と思うくらい。
　社内に圧倒的な数のファンがいた彼女。
　やはり社内結婚で、2児の母だ。
　3つ上の先輩。
　偶然にも、この人も同じ名前。
　入社当時23歳だったこの先輩は、わたしの教育係りだった。
　スタイルが良くて、オシャレで、大人っぽく。
　甘えて甘えて甘えたおした記憶しかない。
　一番お世話になったのは、この先輩。
　やはり2児の母。
　
　交互に電話口で。
　元気にしてるの？　
　彼氏とどうなってるの？
　たまには連絡しなさいよ。
　と、懐かしい声を聞かせてくれた。

　一緒の部署にいた先輩3人は。
　わたしの中では、何故か今でも20歳そこそこのイメージ。
　多分、今でも可愛い奥さんでお母さんなんだろう。
　良い意味で、苦労知らずのお嬢さんの先輩達が、これからもずっと幸せでありますように、と願わずにいられない。
　旦那さん方、みんなの憧れだった先輩達なんだから、苦労させないように！
　
　その他に。
　その更に先輩が3人と。
　他部署のお姉さんたちも来ていて。
　何だか、賑やかな様子。
　
　いいな、いいな。
　わたしも行きたい、みんなに会いたい！
　今から、飛行機乗ろうかな。
　待っててくれる？
　と言うと。

　先輩、ちょっと黙ったあと。
　今日、お盆だから、多分飛行機満席だよ。
　調べてからにした方がいいよ。
　空港まで行って、チケットなかったら無駄足になるでしょう？
　と、素で返された。
　
　いくらなんでも、今からは行きませんって。
　と答えると。

　いや、アナタに限っては、思いつきですぐ行動に移すから、本気かと思った。誰が聞いても、本当に来ると思うって。
　ねえ、と。
　先輩が回りに同意を求めると。
　そりゃ思う、と賑やかな声が聞こえた。

　確かに計画性はありません。
　でも、そんな事しませんよ。
　わたしだって、もういい大人なんだから。
　たまにはしますけどね！