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　昨日の夜、既婚者よりメールが入った。
　〔金曜日、プール行きましょう。一泊で部屋、取っておきます。〕
　すぐ勝負かけようとする。

　男としては正しい選択だろう。
　ダラダラと女の言うがままに、のんびりしていては、落とせるものも落とせない。
　いつまでも、都合の良い人のまま。
　そして、わたしは押しの強い人間に弱い。
　
　でも、口説く手間と時間、それから使った金は、後々の愛情に比例すると思っているので。
　わたしは、もし寝るにしても、引っ張れる限界まで引っ張るつもりでいる。
　
　〔わたしは木曜の方が都合が良いです。
　にしても、一泊って・・・
　まあ、その時の気分次第ですから、頑張ってその気にさせてみて下さい〕
　と、メールを返す。

　すると、木曜は夜があいていないという事で。
　当然、一泊は却下。
　結局、今日のお昼に会うことになった。
　
　3時に、わたしの自宅近所のホテルで待ち合わせ。
　部屋など取られたら困るので、少し早めに到着。
　用心するにこした事はない。
　そのまま、ホテルのティーラウンジ。
　
　会社で資産運用などしている彼。
　当然プライベートでも自らの資産形成に励んでいて。
　今日、買い付けたというマンションの話をする。

　そんな話から、頭の中で、彼の自由になる金額を探るわたし。
　自己申告は大抵、過少申告だ。
　負担にならない最大限を見極めておきたい。

　いずれはわたし、この男に落札されるだろうから。