清算

2004年1月28日
 この手紙は、幸せの訪れなんだろうか、それとも転落への誘いなんだろうか。
 破って捨て去ろうか、それともこの胸に抱きしめようか。
 しばし、葛藤。

 わたしを、放って置いてはくれないのね。
 手放すつもりも、ないのね。
 反省もしてるのね。
 大切だと、思ってるのね。

 でも、そんなコトは、言わなくても解かってたんだよ。

 角が目立つ字を、指でたどってみたら、感情が嗚咽になって止まらなくなった。
 
 あなたに繋がれたまま、あなたの目の届く所で生きている、その気楽さに。
 少し、慣れすぎてしまっていたみたい。
 何事かあれば、あなたのそばで憩うわたしが、当たり前になっていた。
 男と女の関係を放棄しても、やっぱり、あなたに依存しすぎてた。
 わたしと、その他の人との関係を思えば。
 異常なくらい。

 だからね。
 
 わたしは、怒ってるわけじゃなくて、一度離れてみようと思ってるだけなの。
 場所が離れたにも関わらず、精神的に随分、あなたに頼ってきた。
 そろそろ、あなたに依存しない自分の生き様というものを、見てみたくなった。
 本当に、それだけなんだよ。

 でも、そんなコトも、言わなくても解かっているでしょう、きっとね。

 だから、最後に甘えさせてもらおうと思う。
 返事はしない。
 彼の想像にお任せするとしよう。

 プライドの高い彼の事だから、ひどく怒るだろう。
 怒って、わたしから離るだろう。
 それでいい。

 何も怖くない。
 
 
 結局は、手紙を破る程の憎しみもないし。
 小躍りする程の吉報でもなく。
 
 胸騒ぎさえ収まってしまえば、きっと、いい思い出になってるだろう。

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