あと10日でホステス引退だ。
 いよいよ、だ。

 かつて、あれだけわたしを除外しようとしたママも。
 「あなたがいなくなると困る。本当に困るのよ。」
 と、惜しんでくれ。
 オーナーに至っては。
 「おまえが辞めるなんて、知らない。聞いていない。」
 と、駄々っ子のように言い出す始末。

 裏を返せば、文句一つ言わず、都合良く使えるわたしだから。
 それで当然と言えば当然だ。
 わたしが、ママや経営者であっても、わたしのようなホステスを雇いたいもの。
 
 だけど。
 惜しんでもらって幸せだ。
 そう思う事にしよう。

 本当に辞められるのか。
 それだけが心配だ。
 わたしの代わりになるような子は、おそらく見つからないだろう。
 でも、人は環境が育てるものだから。
 きっと、このお店と相性のいい子が、またいるはず。
 そんな子を慈しみ、育てていって欲しいと思う。

 本音を言えば。
 背負いきれなくなった、重責。
 いち従業員に課せられるには、少し荷が重すぎる。
 強い精神力のある子で、専業じゃないと勤まらないだろう。
 そんな子が見つかりますように、と願いつつ幕を引こうと思う。
 
 

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