愛人の務め

2004年6月8日
 泊まりにこないか、との誘いに乗り。
 パトロンの部屋へ行った、日曜の夕方。
 
 TVを見る彼の膝の間に座り、本を読んでいたら。
 彼の携帯へ、妻からの電話があり。
 別に場所を移動する事もなく、そのまま会話を始めたので。
 わたしは。
 聞くともなしにその会話を聞いていた。

 この人は奥さんにも、ちゃんと優しいなあ。
 家庭に帰れば、良い夫なんだろうなあ。
 願わくば、わたしも、こんな旦那さんが欲しいなあ。

 と、そんな事を思いながら聞いていた。
 嫌味でも何でもなく、素直にそう思った。
 ちなみに罪悪感など全然ない。

 わたしの存在は、彼にとっては、余裕の部分で。
 いわば、男の甲斐性のようなものだと思う。
 この部屋や、リゾートの会員権、カルティエのライター。
 そんなものと、意味合い的には同じだろう。
 
 だから悲しい、とか、それは寂しい、とか。
 そんなことを思うわけでもない。

 疲れない程度にワガママを言い散らし。
 嫌がられない程度に甘え。
 負担にならない程度の悩み事を披露し。
 心配させない程度の奔放さを見せる。

 そんな女でいる事が可能な限りは。
 
 それは、会社に行けば、パソコンを立ち上げ、書類と格闘したり。
 実家に帰れば、親の喜ぶ娘、の顔を見せるのと同じ事。
 その場所に応じた、わたしの役割。

 見せるべき顔。

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