サディスティック

2004年6月29日
 彼のメールや電話を取らない事にすっかり慣れて。
 一応、無視は辞めると約束したものの。
 以前のように、すぐにコールバックしない。

 イライラする彼が目に浮かぶ。
 だけど、プライドの高い彼は、そんな事を気にするような素振りは絶対見せない。
 そこらへんの心理の機微は、手に取るように解かる。
 わかっていて、あえてやるわたし。
 この際だから、もっと追い込んでやろうか、と思う。

 目に浮かぶ彼は愛おしい。
 
 もう、わたしにかまわないでよ。
 どんどん、嫌な女になるしかなくなる。
 傷つくか、傷つけられるか。
 彼とはそのどちらかしか、ないような気がする。
 
 だから、これは、仕方がない事。
 申し訳ないと、思いつつ。
 心の奥底の密かな快感は。
 わたしという人間の本質的なものだろう。

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